ウェットスーツとは
ウエットスーツは、体温の維持、肌の保護、外部からの衝撃などから体を守ることや、浮力効果もあります。 用途はスポーツ、レジャー、業務用と幅広く使用されています。
一般にはウエットスーツの中には水が入ってきます。 この水は皮膚とウエットスーツの間に水の層を作り、体温によって温められます。温められた水を皮膚とウエットスーツの間にとどめ、温度を保つことができます。
しかし近年では水の侵入を防ぐ加工が施されるようになり、特に冬のシーズンは裏面に起毛素材を使用するのが普通になったため水の侵入を極力防ぐことにより
暖かさを保持するようになってきています。最近ではウエットスーツには着心地、機能性、ファッション性等が求められています。 そのため、体にフィットするよう仕上げるため立体的に、パターンやカッティングが重要になります。
体に合ったウエットスーツを着用すれば、スーツ内に入る水の量は少なく保温性は高くなります。
日本での製造は、70年代位からサーフィン用のウェットスーツ製造工場が出来始め現在までに様々なブランド工場が出来ました。 当初はマテリアルの種類も少なく現在の物とは大きく異なっていました。
現在、日本のウェットスーツはマテリアルの種類、保温性(起毛素材)、伸縮性、耐久性等と優れたものになっています。 クオリティの高いマテリアルを使用するのは当たり前となりブランドによる違いが(使用マテリアルによる)出しにくい状況にあります。
ほぼすべてのメーカーがオーダーシステムを採用しており、各メーカーはグデザインと長年培った技術(ノウハウ)を駆使し、様々な仕様で違いを出しています。
オーダーシステムは、インポートの安い製品に対抗するためもありますが、特に寒い冬のシーズンは極力水の侵入を防げるように自分の体にフィットしたウエットスーツ
を作ることにより、より暖かい環境を作り出しています。
マテリアルも、常に進化しクオリティの高いものになってきています。 クロロプレンゴム(独立発砲体)に両面にジャージを貼ったもの、片面をスキン(ラバー)でもう片面にジャージを貼ったもの、両面スキン(ラバー)の物
と種類があります。一般にジャージと呼ばれる素材は様々な種類があり用途により使い分けられます。 スキン面もスライス面の物、スムーススキン、メッシュスキンと種類があります。
ゴムの厚みは0.5mm~7mmとこれも用途により使い分けられます。 特にジャージ素材はカラーバリエーションが豊富なので、好みのデザインやカラーでファッション性をも表現できます。
ダイビング用はレジャー用から業務用まで種類があり、水圧によって潰れないようにほとんどがスモールセルの潰れにくいゴムを使用していますが、 サーフィン用は水上で使用するので、季節によって、気温、水温に応じて使用する様々なタイプがあり、動きやすさや着心地を考えてラージセルの軽量で柔らかいゴムを
使うのが主流になっています。
水温や気温により体感温度が変わるので、ドライスーツ~ベストなどのウエットスーツを使用することで、季節に合ったウエットスーツを使用することで、快適なサーフィンを
楽しむことが期待出来ます。 ウエットスーツは、気温・水温に応じてフルスーツからパンツまでさまざまな物があります。 特に冬用のウェットスーツのマテリアルは種類が豊富で、保温性、伸縮性、撥水性、耐久性が大切な要素となっています。
起毛系素材は冬の保温素材の主流で、中空糸を使用し軽量で伸縮性もあり運動性もすぐれているので保温素材の主流になっている。 また、最近は蓄熱はもちろん吸湿発熱や伸張発熱などハイテク素材も使用されています。
スキン素材は表面が水を吸収しないので、保温性に優れているために冬用のほとんどウェットスーツに使用されています。 表面にジャージが貼られていないので、擦れや引っ掻き傷に弱いので、脱着の時は注意が必要です。
技術開発によりストレッチジャージは伸びがすごく良くなり、なおかつ撥水加工や肌触りのよい物もでてきていますが、それらの素材は高価なのでウエットスーツの価格も
高くなっています。
ウエットスーツノ製造工程は大まかには次の工程に分類されます。
パターン、裁断(カッティング)、マーキング、糊貼り(ボンディング)、縫製(ソーイング) 現在日本で主流の製造は、ブラインドステッチで、これは裁断された素材を糊付けしてからすくい縫いをする方法で、平すくい等の呼び名も有ります。
ステッチの縫い具合で見た目も変わってきますので、ウェットスーツの仕上げの良し悪しが判断されます。
ウエットスーツのタイプ
・BACK ZIP(バックジップ)
背中にファスナーを縦に配置する昔からあるスタイル。着脱がしやすく、肩回りのストレスが少ない。 胸囲、腕周りにファスナーが無いため全身フィットした作りです。
冬物は簡易防水ファスナーを使用するセミドライがあります。 また背中内側に水の侵入を防ぐ加工を施したバリアータイプもあります。
・FZIP (フリージップ)(ノンジップでベルクロ等でフラップをこてするタイプもあります)
インナーネック部分から着用しフラップを被りショートファスナーでフラップを固定するシステム。 バックファスナーが無く背中部分はストレスが無い。
冬はフラップ部分のネックもロングネック(折り返す構造)のオーダーが可能。 メーカーにより様々な仕様のスーツがあります。
・NECK ENTORY(ネックエントリー、ネックイン)
超伸縮性に優れた専用素材で出来たネック部分から着脱するシステム。 着脱しやすいよう胸、脇周りにゆとりを持たせている。ファスナー及びフラップを使用しないためストレスが無い。
付属のインナーネック、ネックリング等を内首に装着する事で水の侵入を軽減できる。
・LONG CHEST ZIP(ロングチェストジップ)
ストレッチファスナーを胸部から大腕部にかけて仕様。 曲線に配置する事でファスナーの距離を稼ぐと共にファスナー自体が持つストレッチ性能により違和感の無い着心地と運動性能を確保している。
パターンにもファスナーの違和感が無いよう多少のゆとりを保った調整がされている。 開口部が大きくスムーズな着脱が可能になっている。
・FRONT ZIP(フロントジップ)
ウエットスーツの前面にファスナーを縦に配置。前面にファスナーが有るため水の侵入が多く使用は夏のみ。 ジャケット、ベストで使われることが多い。バックジップ同様全身フィットした作りです。
ウエットスーツの仕様(スタイル)
・ドライスーツ(ブーツ一体型)/セミドライスーツ
冬の水温が極端に低い地域で使用出来るよう完全防水ファスナーを使用し、ブーツを一体化して作られている。 5mmの仕様と3mmの仕様がある。 ネックもロングの折り返し仕様で、手首もダブル加工などのシールドが施されている。
一般的に、ドライスーツと言えばダイビングなどで使用する、空気弁のある完全防水のスーツになりますが、サーフィン専用ドライスーツとは異なります。
インナーウェアと合わせて着用することをおすすめします。
セミドライスーツ 主に冬の海水温の低い時期に使用します。 5mm/3mmの生地厚の長袖、長ズボンの表面にスキン、肌が触れる裏側がほとんど起毛素材で作られています。
背中に簡易防水ファスナーを使用しています。
・フルスーツ
春、秋の時期に使用します。 5mm/3mm、3mm、2mmの生地厚の長袖、長ズボンの表面にスキン(ジャージ)、肌が触れる裏側にジャージ(起毛素材も可)を使用しています。
生地厚が薄くなれば運動性が良くパドリングも軽くなります。5mm/3mmフルスーツは、3mmフルスーツより保温性が高く温かくなりますし、スキン素材を仕様するこによって、
風が吹いてもジャージ素材より身体を冷えから守ります。 余裕があれば2mmフルスーツもあればいろいろ使い分ける事が可能になります。 様々なタイプのバリエーションがあります。
・シーガル 半袖、長ズボンのタイプ。
おもに春の外気温が高く水温が低い時期に使用します。 3mm~2mmの生地厚を使用します。
・ロングスリーブスプリング 長袖、半ズボンのタイプ。
おもに秋口の外気温は低いが海水温が高めの時に使用します。 3mm~2mmの生地厚を使用します。
・スプリング 半袖、半ズボンのタイプ。
おもに、春~夏の外気温、水温の高い時期に使用します。3mm~2mmの生地厚を使用します。
・ロングジョン 袖無し、長ズボンのタイプ。
外気温は高いが海水温が低い時期に使用します。 寒いときはジャケット(ボレロ)を着用しフルスーツとして使用します。
・ショートジョン 袖無し、半ズボンのタイプ。
おもに夏の時期に使用します。
・ロングスリーブジャケット 長袖ジャケット。
夏の時期に使用します。 夏の日差しからの日焼け防止にもなります。ボードショーツなどと合わせてファッション性も楽しめます。
・ショートスリーブジャケット 半袖ジャケット。
夏の時期に使用します。 夏の日差しからの日焼け防止にもなります。ボードショーツなどと合わせてファッション性も楽しめます。
・ベスト 袖無しの上半身のみのタイプ。
夏の時期に使用します。 保温にもなり、ボードショーツなどと合わせてファッション性も楽しめます。
・サーフパンツ
夏の時期に使用します。 ボードショーツと比べ保温性が優れています。